薬学部生みつきの創薬備忘録

主に化学や物理、数学などについて書いていきます。なお4年生の創薬科学科にいるため薬剤師国家試験の話題は少なめです。

薬と生命を学ぶ人のための基礎生化学 (書きかけ)

この記事は「薬と生命を学ぶ人のための基礎生化学 (化学同人)」をもとに大事なところをまとめた記事です。

生化学のテスト前などに役立ててください。

原核細胞と真核細胞の違い

原核細胞と真核細胞の最も大きな違いは核を持つか持たないかです。

細菌などの原核生物の原核細胞は核膜を持たず、細胞の中にそのまま核様体と呼ばれるものがありそこにゲノムDNAが入っています。

一方、人などの真核生物の真核細胞は細胞質と核が核膜で隔てられています。

また、真核細胞の内部にはミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ペルオキシソームといった細胞小器官があります。

原核細胞にはそのような細胞小器官はありません。

他にも様々な違いがありますがここでは述べません。

細胞小器官の構造と機能

真核生物だけが持つ細胞小器官について書いていきます。

核の役割は、主にDNA複製や転写です。

その核を取り囲んでいる脂質二重膜が核膜です。

小胞体には2つあり、粗面小胞体と滑面小胞体と呼ばれています。

粗面小胞体は表面にリボソームという小さな粒子がくっついているため顕微鏡で見ると粗くザラザラして見えます。

滑面小胞体にはリボソームはくっついていません。

粗面小胞体の役割はタンパク質の合成です。

mRNAの翻訳に大きく関わっています。

一方、滑面小胞体の役割は脂質の合成、薬物代謝、解毒、カルシウムイオンの貯蔵と放出などです。

特に肝臓の細胞内に存在する滑面小胞体には多数の薬物代謝酵素が含まれています。

ゴルジ体は小胞体のすぐそばにあり、役割は小胞体で合成されたタンパク質を加工(糖鎖修飾や限定分解)して他の器官に輸送することです。

ゴルジ体からは小胞が飛び出してタンパク質を輸送しています。

ミトコンドリアの主な役割は取り入れた酸素を使ってATP(アデノシン三リン酸)を合成することです。

ATPは体内のエネルギー輸送物質として大活躍しています。

ミトコンドリアが体内のエネルギー工場と呼ばれる理由はここにあります。

リソソームの役割は細胞内で不要になった物質や傷ついた器官、体外からの異物を分解して処理することです。

リソソーム内にはタンパク質、核酸、糖質、脂質など様々な種類の分解酵素が含まれています。

これらの酵素は酸性の環境でしか活性化しないため、リソソーム内はpH5.0前後という強い酸性の環境が維持されています。

ペルオキシソームの役割はミトコンドリアでは分解できない極長鎖脂肪酸のβ酸化やコレストロール合成、胆汁酸生成、アミノ酸やプリンの酸化的代謝などです。

細胞骨格

真核細胞の細胞質には細胞骨格というタンパク質で構成された繊維が張り巡らされています。

細胞骨格の役割は細胞の構造維持、運動制御、物質輸送などです。

細胞骨格はアクチンフィラメント、中間径フィラメント、微小管の3種類に分けられます。

太さはアクチンフィラメント<中間径フィラメント<微小管で、アクチンフィラメントと微小管には極性があり中間径フィラメントには極性がありません。

アクチンフィラメントは特に細胞膜の裏側に張り巡らされています。

中間径フィラメントは細胞質全体や核膜の裏側に分布しています。

そして微小管は細胞核の近くにある中心体と呼ばれる起点から放射状に伸びています。

この3つの細胞骨格の形は抑えておきましょう。